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senkawa house

photo by Hirotaka Hashimoto

worksに千川ハウスを追加しました。

敷地は都心の住宅地に立地しています。60代のご夫婦と2匹の猫の住まいであり、ご主人がオープンを準備しているコーヒースタンドがあり、奥様の運営する三線(沖縄の三味線)のスタジオがあり、将来賃貸にできるスペースもある、+αの場所のある住宅です。

インタビューでは、なぜこれらの要素を住宅に取り込んだのか、という話を中心にお話をうかがっています。
オーナーのおふたりの話に耳をかたむけ、それぞれがやりたいことを楽しそうに取り組まれている様子を拝見し、そのポジティブな気配を家のそこかしこに感じると、漠然と想像していた「老後」がステレオタイプなイメージだったのではとはっとします。
家を建てるタイミングは人によって違いますし、終の住処といっても人それぞれです。その人が歩んできた生き方や考え方によっていくらでもバリエーションがあり得るんだな、なんて当たり前のことに今更ながら気がつきました。

テキストは佐藤可奈子さん。写真は橋本裕貴さん。昨年ちょうどコロナが深刻になってきた頃に竣工したためオープンハウスもできませんでしたが、千川ハウスに流れる心地よい空気とおふたりの暮らしや住まいに対する思いを十二分に引き出していただきました。

不安でしかなかった老後が少し楽しみになるような photo & text です。ご覧いただけたら嬉しいです。

ところどころに猫たちも登場しています!

hanno house

photo by Hirotaka Hashimoto

worksに飯能ハウスを追加しました。

飯能市の郊外に建つ住宅です。近くに入間川が流れ、遠くの山並みも望める自然豊かな環境です。
1階にLDKと家族みんなが楽しむピアノのための音楽室を、2階にそれぞれの個室とライブラリーをコンパクトにまとめました。季節の草木が丁寧に整えられた庭に、4.5畳の屋根付きのテラスを設けています。

オーナーのKさんにとっては2度目の家づくりでした。どういった経緯で家作りをしようと思ったのか、お住まいになられてどう感じているのかを率直に聞かせていただきました。

写真は橋本裕貴さん。丁寧に時間をかけて撮ってくださったのが印象的でした。人が写っていなくてもそこで営まれている暮らしを感じられます。ホームページでもたくさん使わせていただきましたが、まだまだ素敵な写真があるので折々に紹介したいと思います。
インタビューとテキストはお馴染みの佐藤可奈子さん。住宅・住まい・暮らしにまつわる幅広く深い洞察力に、建主さんの気持ちに寄り添ってくださる優しさが備わっていて、佐藤さんにしか書けない文章だなと思います。
そしていつも明るく真っ直ぐなKさん。計画中も、重大な決断をぴょんと軽く飛び越えちゃうようなおおらかさに、こちらまでポジティブな気持ちになり励まされました。仕事と両立しながら毎日の家事を楽しくこなす工夫も見習いたいところです。

自分で言うのもなんですが、読んでいてじーんとなる素敵なリポートです。家をつくることについてあらためて考える機会になり、背筋が伸びる思いでした。少し長いテキストですが、お読みいただければ嬉しいです。

urawa house

photo by Akira Nakamura

worksに浦和ハウスを追加しました。

埼玉県の都市部にほど近く、利便性の良い住宅地に立地する住宅です。
街に開かれた場所のあるフレキシブルでおおらかな住まいにしたいというのがオーナーの希望でした。

1階には建物の奥行きいっぱいに大きな土間を設け、階段・洗面台・ バスタブなどを配置し、明るく風通しの良い多目的なスペースをつくりました。子供のスペースとしてこもり感のある一部屋と、将来2部屋に分けることも想定したオープンなスペースを設え、子供の成長に合わせて変化する場所としています。

2階は三角屋根そのままの形をした天井の高いほぼ一室の空間に、リビング・ダイニング・キッチン・寝室を兼ねた和室のコーナーを配置しています。中心にある吹き抜けがほどよい距離感をつくり、冬には薪ストーブの暖かい空気を家全体にいきわたらせます。

ちょっとマニアックに土間のディテールを紹介。エントランスは靴底についた砂やホコリを室内に持ち込まないようにわずかな段差をつけています。ところどころに真鍮の目地を入れてひび割れが生じにくいように。壁の目地ともバッチリ合っていますね!

インタビューはお馴染みの佐藤可奈子さん。写真では説明しきれない空間や時間の流れが佐藤さんのテキストとディレクションによって補われています。
写真は中村晃さん。上の写真のようなマニアックなポイントもしっかりとおさえてくれるのが嬉しい、頼れる存在です。
撮影&インタビューの日はご家族のみなさんリラックスしてお付き合いいただいて、日々の暮らしを垣間見させていただきました。小さなお子さんが思いきり走り回れる土間や、オリジナルで作った直径150cmの大きな丸テーブルが大活躍だったのも嬉しかったです。

玄関を入って土間を巡って、階段を上ってダイニングへ‥と、まるで家の中を歩きながら体験しているようなレポートになりました。ぜひ楽しんで読んでください。

utsunomiya house

photo by Takeru Koroda

worksに宇都宮ハウスを追加しました。

宇都宮ハウスは2009年に竣工したので、今年でちょうど10周年となりました。竣工した年に生まれたお子さんは小学生に成長し、庭に植えたアオダモとシラカシはすっかり立派に成長しました。

10年が経てば外壁は色褪せ、デッキは痛み、白かった壁の汚れが目立つのはやむをえないことですが、庭の植物を丹念に育て、子供の成長に合わせてしつらえを整え、フローリングや家具をメインテナンスしなが育てることで経年変化が魅力になるところもたくさんあります。
変化に対応できる計画をしておくことや、構造や環境性能など変わらないところをしっかり計画すること、経年変化を想像して素材を選ぶことはもちろん大切ですが、日々愛情をもって暮らすことなくなし得ないなあと、宇都宮ハウスの10年間を経験してつくづく感じました。

写真はおなじみの来田猛さん。なぜか撮影の日は天気に恵まれませんが、来田さんの手にかかればそれもネガティブな要素にならないのが頼もしいところです。
テキストと編集は佐藤可奈子さん。佐藤さんには新築の頃に雑誌の取材をしていただきました。10年ぶりに再会した宇都宮ハウスはどうだったのか。少し長いテキストですがぜひご一読いただきたいです。
新築時よりも10年後が良くなる家が作りたいというのが目標で、10年後のレポートはどうしても叶えたかった企画でした。リクエストに快く応じてくださったオーナーに感謝です。

次の10年間‥となると、もしかするとお子さんは巣立っているかもしれませんね。またレポートできたらいいなあと思います。

nishitokyo house

photo by Akira Nakamura

WORKSに西東京ハウスを追加しました。

東京の郊外の住宅地に建つコンパクトな住宅です。東西に細長い敷地いっぱいに間口2間の建物を配置し、1階にはビルトインの駐車場を設けています。

寝室や個室は最低限でもかまわないけれど、風通しの良い広々とした共用スペースがつくりたいというのがご希望で、2階をキッチンからリビングまでをひと続きの空間にし、大きな家具をソファとダイニングテーブルに絞って家の中心を作りました。リビングのご機嫌なソファに寝転がってくつろいだり、大きなテーブルで宿題をしたり絵を書いたり、キッチンでお料理に集中したり。家族が思い思いの過ごし方をしているおおらかな暮らしが想像できます。

「さて、いまだに覚めない夢の中に
いるのかと思うくらい、
僕はマイホームに家族で住んでいます。

20代のころの僕からは
ウソのようなホンマです。」

これはご主人の言葉。
インタビューでも触れられていますが、新居を考え始めた時には設計事務所と一からつくる家づくりにリアリティが感じられなかったそうです。
西東京ハウスで設計中から変わらずに根底に流れていたテーマは「普通の家」でした。背伸びしすぎない等身大の家。だからと言って誰にとってもOKな家ということではなくて、ここに暮らす家族ならではの家づくり。奥様がお好きな家具や雑貨や観葉植物、ご主人の趣味の楽器やレコードが所狭しと置かれている様子からも、自分らしく楽しく生活されているのが伝わると嬉しいです。

テキストと構成はおなじみの佐藤加奈子さん。今回も私も知らなかったような逸話までインタビューで聞き出してくださいました。佐藤さんの住宅事情への深い知識と関心にいつも助けられています。
写真は中村晃さん。端正な建物のカットも表情豊かな人物の写真もどれも素敵で、西東京ハウスの空間と空気感を写真で表現していただきました。
そして共働きでなかなか取れないご夫婦お揃いの休日を取材に充てていただいたご家族に感謝です。出会いのきっかけを作ってくださったお友達家族と一緒に食卓を囲むのも楽しい時間でした。

昔のご主人のようにマイホームにリアリティがない人たちに読んいただいて、そんな幸せなウソに騙されてくれれば良いなと願っています。
 
おまけ。
昨日は葉山へ金工作家のcicafuの展示を見に行きました。いつか欲しいと思っていたモビールを衝動的に手に入れてしまった。片側が照明になっていて影が美しいそうです(我が家ではまだ配線できてません‥)
展示は、BOOKSHOP Kasperにて9月23日まで。
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