宇都宮ハウス utsunomiya house

場所と暮らし方
初めクライアントとお会いした時に候補の敷地が2つありました。ひとつは生活には便利だけど狭くて周囲も建て込んでいる街中の敷地、もう一つは中心街からは少し離れるが敷地に余裕があり周辺も比較的ゆったりとした敷地でした。そのうち、これからの自分たちの望む暮らし方を見据えて郊外の敷地を生活する場所に選ばれました。
マンションから住み替えるクライアントの希望は、「土に近い生活」。裏に市民農園があることも土地選びの決め手だったそうです。そこで庭をL字型に取り囲んでリビング、ダイニング、アトリエといった家族みんなで使うスペースを配置してどこからも外部空間を楽しめるように計画しました。

視線と距離感
キッチンからリビングを見渡す、ダイニングから吹き抜けを通して2階を見上げる、寝室からリビングの様子を感じる‥。
それぞれの場所どうしを緩やかに繋げることで空間に奥行きや広がり、お互いの気配を感じられるようにしました。反対にアトリエはエントランスを挟んで「離れ」のような場所にしました。その時々の目的や気分で居場所を選ぶことで、日々の生活に少しの変化やゆとりを生み出せればと思います。
室内と外部の関係についても、アトリエからポーチ越しに庭を眺める、リビングから庭にでるといった積極的に繋がることと、道路から室内を見えにくくしてプライバシーに気を配ることを同時に成り立たせるように、窓の位置や高さ、植栽の配置の仕方を工夫しています。

自然の力
自然エネルギーを利用したいということが、クライアントと私たちの共通の思いでした。
選んだのは「そよ風」というソーラーシステムです。太陽によって屋根で暖めた空気を室内に取り入れるという至ってシンプルな仕組みで、冬に晴天の多いこの地域の気候とも相性が良さそうです。
効率よく集熱できるように東西方向に長い切妻の屋根形状にしています。内部の吹き抜けは空気を家全体にいき渡せる役割も果たします。また、取込んだ暖かい空気を基礎に蓄熱して、室内の熱環境が安定するように計画しています。

おおらかさ
アトリエの上には大きなルーフテラスをつくりました。寝室や個室を通らずにアクセスできるように計画しています。立体に配置した庭でもあり、気候のいい季節には外部のリビングスペースのようにも使えます。
この家に漂う空気感が、おおらかだけど芯がしっかりあるクライアントの暮らし方をうつしたものであること願います。

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竣工 2009年7月
設計 straight design lab / 東端 桐子
家具デザイン・製作 camp / 大原 温
構造 タカミザワ タカシ
施工 (株)牧田工務店