国立ハウス kunitachi house

庭をつくる
郊外の住宅地に約40年前に建てられた住宅の一部を減築し、新しく小さな住宅をつくりました。北側に建つ既存建物に配慮し、東側道路に面して駐車場と庭を設けました。新しい建物は、庭を確保するために矩形の平面を3層積み重ねた単純な構成にして建築面積を小さくしています。最下層を半地階とすることで高さを抑えて周りの街並にもなじませています。

小さいことと簡素さ — 必要なものと必要でないもの
階ごとに部屋を分け、間仕切りや建具をなるべくなくしました。ちょっと思いきった試みとしては区切られた部屋として浴室を設けることをやめて、オープンスペースの片隅にバスタブを置き、小さなシャワーブースをつくりました。その結果、用途を限定しない場所と開放的な浴室ができました。小さいことが今まで疑問にすら感じなかったことに気づくきっかけにもなったのです。
細かなレベルでは洗面器、水栓などなるべくシンプルな機能/デザインのものを選ぶようにしました。

スチールサッシ
この住宅ではすべてオリジナルのスチールサッシを用いています。余計な装飾のない住宅の中で数少ない特殊なディテールです。性能、コスト面ではアルミサッシの足下にも及びませんが、風景のフレームになるサッシが違えばそこから見える風景も変わるように感じます。
窓の熱環境負荷をサポートするために、ソーラーシステム「そよ風」を採用しました。南北に勾配をとった屋根形状もこれによって決定されています。選択肢を増やすためのツールとして自然エネルギーを利用するという発想は、私たちにとって新鮮なアイデアでした。

住宅の快適さは、温度湿度など数値化できるものと数値化でいない諸々の要因によって生まれるものだと思います。それは周辺の環境や住む人のライフスタイルなど、異なった条件の中でその都度見つけていくものだと思います。この住宅はそれらのバリエーションの一つであると位置づけています。

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竣工 2009年6月
設計 straight design lab / 東端 桐子
家具デザイン・製作 camp / 大原 温
構造 タカミザワ タカシ
施工 (有)キューブワン・ハウジング